『西洋家作雛形』・『Cottage Building』の比較研究　2:産業革命後英国における住宅改善の取り組みと本書の位置づけ

摘要

本稿では、『Cottage Building』出版背景に関して述べる。本書、Chapter Ⅰ（以下、Ch.1）は、当時の英国における深刻な貧困層の問題について取り上げられ、その劣悪な住環境に対する著者アレンの批判が述べられている。まず、Ch.1 の概要についてまとめ、同箇所に紹介される人物とその意見に関してまとめる。　さらに、本書はCh.2 以降において、その住宅改善案について具体的な技術解説とともに述べており、どのような具体的な提案をもって、底本の著者がこの社会的問題に対して取り組んだかについて述べ、同書の性格の一端を明らかにする。