旧東宮御所（迎賓館赤坂離宮）造営へのフランス人装飾家の関与

摘要

旧東宮御所造営において、外国人として唯一叙勲されたアンリ・フルディノワの役割を検証することによって、室内装飾全般に関わる装飾家としての役割が明らかになった。さらに、初期の段階では同じくフランス人装飾家であるジョルジュ・エンシェルが関与し、正面外観、朝日の間といった重要な部分の装飾に関与していたことが明らかになった。彼らはフランスのみではなく各国の上流邸宅建設において、18 世紀を中心とした装飾コレクションをもとに室内装飾を設計製作していた。今後は、残された図面をもとに、旧東宮御所造営においてフランス人装飾家の果たした役割を考察するとともに、装飾の設計過程を解明することとする。