微細水ミスト噴霧による気温低下領域の実測超音波風速温度計の多点計測による検討

摘要

音仮温度を用いた気温計測により、微細水ミスト噴霧による気温低下の瞬時変動と、その空間的な広がりを把握した。今後はこのような瞬時的な気温変動と体感される涼しさとの関係を検討していく予定である。微細水ミストとは、微粒子化した水を霧状にして噴射し、蒸発する際の気化熱の吸収を利用して周囲の気温を低下させる気化冷却装置である。これまでの熱電対等を使用した検討では、湿球温度を測定している可能性があり、冷却効果の大きさや広がりは明らかになっているとは言い難い。そこで、本研究では音速の気温依存性を利用している超音波風速温度計を利用し、水滴の影響を受けずに乾球温度を測定することで、微細水ミストによる気温低下領域を実測する。ミスト噴霧による暑熱緩和効果は、実際の気温低下と皮膚が濡れる効果が複合していると思われ、その詳細はまだ不明である。効果的なノズル配置等の設計手法を確立するためには、体感される涼しさのメカニズムを明らかにすること、とりわけ瞬時的な気温変動を計測することが不可欠であると思われる。