路上の酒場空間:侵街が生み出す空間の論理

摘要

近年人々の手に取り戻されつつある都市の路地。机や椅子は路上にまではみ出し、空の下人々は飲食を楽しむ。この侵街(道路の不法占拠)による空間の論理を導き出すことを本研究の目的とする。違法でありながらも魅力ある路上空間をつくり出す要因とは何か。空間の構成原理を導くにあたり4 つの調査地を歴史的要素・道的要素・建築的要素の3 つから考察していく。また法律について、道路が公道・私道に関わらず路上の酒場空間は違法といえる。道路法の道路管理者は国や地方公共団体であり、道路法に定義される道路、つまり公道に対し、道路法第32 条により規制を行う。道路交通法の道路管理者は警察であり、定義される道路は公道と、一般交通の用に供するその他の場所である。