寛文期の大火による熊本城下の道路拡幅・新設に関する分析:「手取千反畑外坪井絵図」における検討

摘要

熊本城下の寛文期の大火では、焼失した屋敷の武家地に道路の拡幅や新設が行われていた。道路拡幅は、通りの幅員の統一、食い違いの解消を目的に行われていた。また、道路拡幅は、元々武家地であった敷地に道路を通すことで分断されていた通りを解消するためのものであった。道路の拡幅・新設は双方ともに、乱れた道割りを改善しようとする試みであったと考えられる。