プラズモニックチップ上で培養した神経細胞表面AMPA受容体の光捕捉

摘要

脳の基本構成単位である神経細胞は，細胞間でシナプスを介して情報伝達を行う.神経シナプ ス部位に放出された神経伝達物質を受容する神経伝達物質受容体の分子数や分子動態は，記憶や 学習といった脳機能に関与することが近年明らかになりつつある.我々は，神経細胞間の情報伝 達過程を可逆的に操作する手法として，表面プラズモン共鳴（SPR)効果を利用した細胞表面分 子の光捕捉手法の開発を進めている[1].本研究では，興奮性神経伝達において主要な受容体タン パク質であるAMPA型グルタミン酸受容体（AMPAR)分子の安定な光捕捉のため，プラズモニ ックチップ上で培養した神経細胞表面に光ピンセット用近赤外レーザーを集光し，レーザー集光 領域における分子動態の蛍光解析を行つた.