永久磁石吸引型パッシブ磁気軸受を用いたアキシャルセルフベアリングモータ

摘要

磁気軸受は，回転体を磁気力により非接触で支持するものであり，摩擦や摩耗が無いなどの利点を持ち，ターボ分子ポンプやキャンドポンプ，人工心臓などに応用されている．磁気軸受は，電磁石のコイル電流を変化させて磁気力を制御する能動型磁気軸受(Active Magnetic Bearing, AMB)と制御装置を用いずに電磁力の受動安定性を用いる受動型磁気軸受(Passive Magnetic Bearing, PMB)に分けることができる．AMB はフィードバック制御を行うため優れた支持性能を得ることができるが，変位センサ，コントローラ，駆動回路が必要となるため高価になる欠点がある．一方，PMB を用いると制御装置を少なくすることが出来るため，性能はAMB に劣るが安価にすることができる．アーンショウの定理より1 軸のみを能動制御を行えば，PMB を用いて安定な非接触支持を実現することが出来ることが知られている．