水平加振中の矩形容器底面における流体解析

摘要

生物，医療，製薬などの分野では，顕微鏡下において細胞レベルや遺伝子レベルの大きさの物体に様々な物理的操作を加えることがある．これらの物体は直接手で扱うには微細すぎるため，その操作を実現するためにはマイクロマニピュレータと呼ばれる装置・システムが必要となる．マイクロマニピュレータの実現には，一般的に機械的／流体的な力の他，磁力，音／光圧力，静電力などが用いられており，例えば，レーザーの放射圧を用いて物体の把持を可能にする光ピンセットや静電気力で物体の着脱を可能にする静電プローブなどが研究・開発されている．これらの技術は細胞・遺伝子レベルの物体の操作を可能とするが，その操作技能の習得には多くの時間と労力を要すため，マイクロマニピュレーションの成功率・作業効率は決して良いとは言えない．したがって，マイクロマニピュレーションを補佐する装置や熟練した技術を全く必要としないシステム，すなわち自動化などが求められており，これまでにメカトロニクス技術を用いた様々なシステム（例えば，圧電アクチュエータを用いた精密位置決めステージなど）が提案・開発されている．