曲率を有する平板状構造物の面外・面内連成振動の簡易な応答解析法

摘要

鉄道車両や自動車，航空機などに見られる曲率を持ったパネル構造では，面外と面内方向の変形が連成する弾性振動が問題となることが多い．鉄道車両の車体上下弾性振動を例に取れば，屋根と床の変形が異なる弾性振動が乗り心地に影響することがあり，その場合，屋根と床の上下方向変形の差に応じて側面の左右方向の面外変形が生じる．すなわち，側面のパネル構造に関して屋根と床の上下変形は側面の面内変形に対応するが，それが面外変形と連成する．大型構造物である鉄道車両の振動解析モデルは一般に大規模になり，広く使われる有限要素（FE）モデルの場合，数百万節点となることも珍しくない．詳細で精度のよいFE モデルの作成には多大な労力が必要であるため，より簡便に立体構造物としての車体振動解析が可能な解析モデルが求められている．