第二言語獲得の為には,スピーキング,リスニング,ライティング,リーディングの4技能全てを習得する必要があるが,特にスピーキングとリスニングにおいては,他者との音声コミュニケーションが求められる。リスニングに関してはCD 等の音声教材を用いても訓練可能であるが,スピーキングに関しては他者とのコミュニケーションを妨げる発音誤りを認識する必要があり,故に母語話者と接する機会をより多く持たなければならない。しかし,実際には自国で学ぶ学習者の多くは授業以外で母語話者と接する機会が少ないため,これを技術的に支援する対話形式のCALL(Computer-Aided Language Learning)システムが研究されてきた。これらのシステムは発音誤りや文法誤りを自動検出し,その誤りをどのように修正すべきかといったフィードバックを返す。この時,母語話者音声で訓練した音響モデルを用いて学習者音声を評価する。これはつまり母語話者音声との比較によって学習者音声を評価していることになる。この技術により確かに外国語訛りに起因する不自然な発音を自動検出することが可能であるが,一方で外国語訛りの程度によっては,コミュニケーションが妨げられないことが知られている。
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