確率共鳴現象を活用した微小信号の新たな検出方法の考案

摘要

ライフサイエンスをはじめとした様々な分野で微小信号検出の需要は高まってきている。現在、一般的な信号検出のアプローチは、微小信号の強度を増幅し、アナログフィルタまたはデジタルフィルタで適切な処理を行い、ノイズを除去して所望の信号を取得するというアプローチが一般的である。ただし、アナログフィルタの設計、作製およびチューニングには高度なノウハウが必要な部分が多いこと、コストが高くなること、外乱ノイズの影響が比較的多いことなどの課題が挙げられる。また、デジタルフィルタはソフトウェア処理で行うとリアルタイム性の確保が難しく、ハードウェア処理を行うと回路規模が大きくなってしまうという課題が挙げられる。そこで本研究では、ノイズを除去し微小信号を取得するため、確率共鳴現象に着目して新規検出手法の検討を行った。