酸素分子解離吸着の立体化学における合金効果: Cu(110)vs Cu_3Au(110)

摘要

表面に飛来する酸素分子軸の向きが解離吸着過程に影響することが知られている[1]。表面構造に異方性のある表面の酸化においては、酸素分子と表面の相互作用は、酸素分子軸の表面内方位に依存し、化学反応の立体効果が出現することが予想される。本研究においては、表面構造に異方性をもつCu(110)表面の酸化反応において立体効果を明らかにするとともに、図1のような(4 x 1)再構成構造をとるCu_3Au(110)に注目し、立体効果における合金化の効果を調べた。分子の角運動量ベクトルの向きを制御したO2分子ビームを表面に入射し、初期吸着確率を測定することにより解離吸着過程における立体効果の入射エネルギー依存性を検討した。