筆者らは汎用の磁気イメージング装置である磁気力顕微鏡において,試料表面近傍の磁場計測を実現することで空間分解能を大幅に向上させた交番磁気力顕微鏡(Alternating Magnetic Force Microscopy; A-MFM)を開発した。A-MFMを用いた交流磁場イメージングでは,これまでFePt系ハード磁性探針を使用していた1)。しかしながら,強い交流磁場を発生する高密度磁気記録ヘッド等の観察では,磁性探針のハード磁気特性が良好でないと探針磁化の方向が変化し空間分解能および測定精度が低下する問題があった。そこで探針磁化が磁場に比例する超常磁性探針を用いることにより磁場の2乗に対応する磁場エネルギーのイメージングを検討したところ,空間分解能および測定精度が向上したので報告する。
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