プラズマ活性溶液がコレステロール含有脂質二重膜の形状に及ぼす効果

摘要

近年、静脈点滴可能な乳酸リンゲル液（ラクテック）に大気圧プラズマ照射して作製したプラズマ活性ラクテック（Plasma-Activated Lactec:PAL）の抗腫瘍効果が報告され、注目を集めている。同PAL作用の第一段階として細胞膜への影響の解明が必要であることから、観察溶液へのPAL添加に伴う支持脂質二重膜（Supported lipid bilayer:SLB）の形状変化について、高速原子間力顕微鏡（High-Speed Atomic Force Microscopy; HS-AFM）を用いた動的観察の結果を報告してきた。また、がh細胞では正常細胞と比較して細胞膜中コレステロール量が低いとの報告に着目し、前回、PAL添加によるSLBの形状変化における、SLB膜中コレステロールの影響について調べて報告した。今回、SLB膜中コレステロール量の効果についてさらに詳細に調べたので報告する。