ペロブスカイト太陽電池における酸化チタン(Ⅳ)薄膜の作製法が太陽電池特性に及ぼす効果

摘要

ペロブスカイト太陽電池は、塗布などの簡易なプロセスにより、安価で高効率な次世代太陽電池の有力候補として現在注目を集めている。ペロブスカイト太陽電池の高いエネルギー変換効率を実現するためには、活性層であるペロブスカイト薄膜結晶の成長を促進し、正孔輸送を阻止する役割を果たす緻密層が重要な役割を果たすと考えられる。本研究では、緻密層としての酸化チタン(Ⅳ)に注目し、その成膜方法として電着法、スプレー熱分解法、スピンコート法を用いた場合のキャリア輸送特性および太陽電池特性の差異について調べた。その結果、成膜時の様々なパラメータを制御することによって、適切な厚さを有する酸化チタン(IV)層が効率的な電荷輸送に寄与することがわかった。さらに、酸化チタン(Ⅳ)層上にトリプルカチオン型のペロブスカイト層を作製し、それらの結晶性、酸化チタン(Ⅳ)層とペロブスカイト層の緻密性および太陽電池特性の関係について調べた。Fig.1にFTO基板上にスピンコート法により酸化チタン(Ⅳ)緻密層を堆積させた試料の断面SEM像(a)とペロブスカイト太陽電池の断面SEM像(b)を示す。