複葉翼を有するジェット旅客機のサイジング及びCFD解析について

摘要

航空需要の増加に伴い、近年では航空機の低燃費化や、環境性能の改善を目的とした研究が多くなされている。その中で、従来の航空機の主翼形状の基本形である片持ち翼とは異なるStrut-Braced Wing(SBW)と呼ばれるコンセプトがあり(図1)、NASAが提案しているSugar Volt[1]に採用されている。SBW 機体は主翼アスペクト比を従来機に比べ大きな値(16～27 程度)に設定することで機体の誘導抵抗を減らし、巡航時の揚抗比(L/D)cruiseを向上させることを狙っている。一方、アスペクト比を大きくすると翼の構造重量が増大する。SBW機体では主翼に斜め部材(Strut)を取り付けて胴体と結合することで重量増加を抑えている。