水銀を用いないニクロム酸カリウムによる化学的酸素要求量測定法の実現可能性ー硫酸銀の過剰添加の効果

摘要

2013年10月に水銀の適切な管理を目的とした水侯 条約の外交会議が開催され、92カ国が条約への署名を 行った。日本では水銀に関する水俣条約対応の国内法 の整備として、2015年6月に水銀による環境汚染防止 に関する法律(水銀汚染防止法)が公布され、水俣条約 発効と同時に施行することとなった。このように、近い将 来に水銀は世界的に使用が制限されることが予測され る。CODを測定する方法として、諸外国では一般に COD_(Cr)が使用される。COD_(Cr)は銀触媒に悪影響を及ぼ す塩化物イオンのマスキング剤として多量の硫酸水銀が 用いられることから、本研究では、硫酸銀の過剰添加に よる水銀を用いないCOD_(Cr)測定法の実現可能性を検 討した。