低温動的載荷実験による高減衰ゴム支承の力学的特性の検討

摘要

本研究ではゴム材料の異なる2種類の高減衰ゴム支承と，天然積層ゴム支承に対して，実験室全体を低温に保った状態で載荷実験を実施し，低温環境下における繰り返し載荷および破壊までの力学的特性について検討した．低温環境下に対する等価剛性の変化率はHDR1が最も大きく，HDR2は概ねNRと同等であった．加振時の内部温度の上昇はエネルギー吸収量と直線的な関係があるが，その傾きや切片はゴム種，雰囲気温度によって違いが見られた．設計許容変位での繰り返し載荷実験を行った結果，等価剛性とエネルギー吸収量のサイクルごとの変化率はHDR1が大きく，低温の場合により顕著であった．設計許容変位の1.2倍での繰り返し載荷実験，さらに単調載荷による破断実験の結果，低温環境下でも設計許容変位に対する安全率が1.2以上であることを確認した．