Studies on theJaagarusoils and their parent materials : IV. Clay minerals of soil profiles at Gushikami, Gushikami-son and Arakaki, Nakagusuku-son Okinawa Island (Department of Agricultural Chemistry)

摘要

沖縄本島南部の具志頭村具志頭(O-12)および中部の中城村新垣(O-13)のいずれも典型的な"ジャーガル"土壌(層)断面から, "ジャーガル"およびその母材の泥灰岩をそれぞれ採取した。そして, 土壌の物理性および化学性に重要な影響を及ぼすと考えられる非結晶質成分の特徴を調べるために, 両断面の"ジャーガル"および泥灰岩の粘土部分にジチオナイト(ハイドロサルファイトナトリウムー炭酸水素ナトリウムークエン酸ナトリウム)処理, その処理後に0.15Mシュウ酸ナトリウムあるいは0.5N水酸化ナトリウム処理による選択溶解-示差赤外吸収スペクトル法の半定量鉱物分析法を適用した。また2,3の理化学性, 粘土部分の結晶質成分およびシルト部分の1次鉱物組成も調べた。ジチオナイト可溶成分は両断面では約6∿8%で, 上層ほど幾らか多い傾向を示した。そして具志頭の断面で64%前後, 新垣で77%前後をそれぞれ酸化鉄が占めた。ジチオナイト可溶成分はいずれも未同定成分の特徴を示し, そのSiO_2/Al_2O_3比はいずれも3以上で著しく大きく"ジャーガル"より泥灰岩層で2倍以上高かった。シュウ酸ナトリウム可溶成分は断面の相対応する層間にほぼ同量存在し, 他の2つの可溶成分より量的に多く最上層の"ジャーガル"に下の泥灰岩層より約2倍量多かった。そして具志頭の断面で35%前後, 新垣で39%前後をそれぞれ酸化鉄が占めた。シュウ酸ナトリウム可溶成分は, SiO_2/Al_2O_3比が"ジャーガル"および泥灰岩層のいずれも3以上で後者に幾分増える傾向を示し, いずれも未同定成分の特徴を示した。