ナノワイヤによる細胞外小胞解析とリキッドバイオプシーへの展開

摘要

この度は，2022年度化学とマイクロ·ナノシステム学会奨励賞という栄誉ある賞を授与下さいまして，本学会関係者の先生方には感謝を申し上げます。本研究成果は，名古屋大学の馬場嘉信先生が主宰する研究室で得られた成果です。馬場嘉信先生を含めご指導いただいた先生(特に渡慶次先生や加地先生，柳田先生)，一緒に研究してくれた同僚や学生，研究支援をしてくれたスタッフの皆さんに心から感謝致します。今回は，私の研究歴にも触れつつ，研究内容を書かせていただきます。学生時代はナノ構造やマイクロ流路に関する研究を行っており，この内容は若手奨励賞の時の記事でも触れました。当時の馬場研究室は電気泳動の研究が活発でしたが，ナノ構造やマイクロ流路の研究も行われていました。2004年には加地先生(現九州大学教授)が，ナノピラーを用いてDNAを電気泳動分離することに成功しています1。私も2011年にナノウォーノレを用いてDNA電気泳動分離2,同年にナノピラーの電気浸透流への影響3，そして，2015年にはナノピラーの配置パターンがDNAの電気泳動分離順序に影響を及ぼすこと4，を報告しました。