支部大会記念フォーラム「借上復興公営住宅追い出し訴訟と〈住み続ける権利〉」

摘要

兵庫支部は，5月13日に2023年度大会と記念フォーラムを中央区文化センターで開催した.記念フォーラム講師は，井口克郎氏(神戸大学大学院人間発達環境学研究科?支部代表幹事)でした.講演要旨1995年1月の阪神?淡路大震災の後，地方自治体がURなど民間の住宅を借り上げて,公営住宅として提供したのが借上復興公営住宅で，県や市が直接に建設するより早く，安く公営住宅が提供でき，画期的な手法として高く評価された.ピーク時には，兵庫県と県内5巿および大阪府豊中巿に約8,000戸あった.自治体は家賃の差額を負担するが，1997年からは法的裏付けもでき，国の補助も行われるようになった.ところが，2010年頃から自治体は，入居期限を理由に明け渡しを求めるようになり，とくに神戸市と西宮巿は，退去を求める訴訟を起こすに至った(宝塚巿?伊丹巿は継続入居を容認，兵庫県も柔軟な対応をした).