変わる最新研削加工技術 砥石表面データを研削仕上面に活かす

摘要

研削加工では、例えば砥石と工作物の接触検知にAEセンサを用いることで、非研削時間の短縮ならびに自動化がなされている。あるいは、加工前に工作物形状を接触または非接触式変位計を用いて測定し、幾何公差に収まる研削パスを構築するなどといった自動化がなされている。これらの技術により日本の研削盤は自動化において優位性を保っている。ところで、研削加工においては、図1に示すように作業者、研削盤、砥石の3つが密接している。自動化における上記の取り組みは、作業者と研削盤に着目したものである。一方、研削加工の特徴は仕上面粗さの良さにあり、研削加工の知能化においては仕上面粗さの良しあしも考慮する必要がある。そのため、仕上面粗さを決める因子である砥石の表面形状が重要となる。そこで本研究室では、砥石に着目しこの表面形状を測定し、得られた砥石表面データを用いて「最適な研削条件の導出」、「仕上面粗さの予測」、「びびり振動の回避」を目的に研究を行っている。本稿では、研削仕上面の予測について紹介する。