食道ァカラシァ

摘要

食道ァカラシァの治療はこれまで，薬物（Ca拮 抗薬，亜硝酸薬），バルーン拡張術，外科治療 (Heller筋層切開術）などが行われてきた.われわ れは2008年より経口内視鏡的筋層切開術 (POEM) 2)を開発し，2020年11月までに2，300例 以上の治療を行い，病型にかかわらず95程度の 奏効率を得ている.ここではPOEMの奏効しない食道ァカラシァ を重症ァカラシァと捉える.食道内容物の停留状 態が長期持続し，高度な慢性炎症の持続が食道を 荒廃させた状態となると，POEMによってEGJを 開放しても，食道内容物が残存する.胃酸の逆流 も起こり，残存した食道内容と胃酸が混合し，慢 性炎症状態が持続?高度化し，悪循環に陥り食道切除を余儀なくされることとなる.