私の中東体験—湾岸危機に耐えて

摘要

さて、何を書こうか。いわゆる「研究」的な内容は諸先輩方に恥ずかしくて何も書けそうにない。そこで私なりに自分の体験を想い起こせば行き着くのは大学院の1年次（M1）夏の「海外技術研修」（国際学生技術研修協会（略称IAESTE）主催）参加であった。 この研修では中東のイスラエルで約3ヶ月間様々な体験をさせて頂いたが、これらの一部をここで紹介して行きたい。 同国はその建国以来いわゆる「中東紛争」の原点であるとされてきた。 しかしその一方で、「水道水が飲める国」の貴重な例であったり、人口あたりの技術者数が日本や米国の2倍、その技術者一人あたり出す論文発表数、人口あたりの医師の数が世界一であることなども知る人ぞ知る事実である。 常に周囲からの脅威に曝されながら前述のような教育·技術水準の高さを維持するユダヤ国家に私は強く惹かれていたし又宗教都市エルサレムを観てみたいという願望を持っており、そこを訪れ、しかも現地で生活をするという幸運に恵まれた。