クーロンバリア近傍における~6He+~(209)Bi散乱の解析

摘要

今回、クーロンバリア近傍（E_(in)＝19.0，22.5MeV）における~6He+~(209)Bi散乱に対して、~6Heを3体モデルとした~4He+n+n+~(209)Biの4体反応系と考え、離散化チャネル結合法（CDCC）を適用し解析を行った。 CDCCの解析ではクーロン分解反応および核力分解反応を正確に取り扱って解析を行った。 その結果得られた弾性散乱断面積は、よく実験を再現することが分かった。 また、全反応断面積の値もよく実験を再現している。 2体モデル（~4He+~2n）でのB（E1）の値は3体モデル（~4He+n+n）の値よりも大きい値を得た。 よって、3体CDCCの解析ではクーロン分解反応を大きく見積もってしまい弾性散乱断面積を過小評価することとなった。これらのことから、~6He+~(209)Bi散乱の解析においては~6Heのモデルは~4He+~2nの2体モデルでは不十分であり、正確に~4He+n+nの3体モデルで取り扱う必要があると言えるだろう。