筑波大学大学院 生命環境科学研究科 国際地縁技術開発科学専攻 足立研究室

摘要

筆者は1988年に筑波大学へ赴任したので，すでに四半世紀をこの地で過ごしたことになります。大学院時代，私は農学部の農業工学科に籍を置き，筑波にある農林水産省農業工学研究所にて水処理の凝集沈殿法のろ過分離や混相流の流送設計の基礎としてフロックと呼ばれるコロイドの凝集体に関する研究指導を研究員の大井節男博士より受けました。現実の処理で対象となる活性汚泥や粘土のフロックは性状がまちまちで不安定でさまざまに変化します。これをなんとか基準的なものに置き換え，装置の設計指針などに供することを目的とするという発想のもと，この考え方に基づいて博士論文を仕上げました。その後，緑あって筑波大学の助手に採用されましたが，高分子重合で作られる均一で球形単分散のポリスチレンラテックス粒子に着目し，その合成法を教わりに行ったことがきっかけとなり，化学系でコロイド界面化学の研究をされていた古澤邦夫先生のギミに参加するようになりました。