超音波心エコーKinetic画像処理による心機能の自動識別法

摘要

心臓超音波の分野で用いられている超音波心エコー画像の新しい表示法として，Color Kinesis法と呼ばれる方法がある．Color Kinesis法は超音波の反射波強度から各時刻ごとの心室壁の位置を推定し，その位置を異なった色で表現する表示法であり，この表示法により得られた超音波心エコー画像をKinetic画像と呼ぶ．Kinetic画像は1枚の画像の中に収縮初期から収縮末期までの心室壁の動きの情報を含んでおり，心室壁運動異常の診断に有効である．現在はKinetic画像から医師の目測により心疾患の診断を行っている．計算機が画像を認識・理解して心機能の特徴抽出ができれば医師の診断の手助けになる．そこで心臓疾患の自動織別を目指して，本論文ではまずKinetic画像から左心室の動きの程度を識別する方法を提案する．