線形/非線形集中定数素子と分布電源を有する伝送線路より構成される分布集中定数系混在回路に対する系統的数値解析法

摘要

分布集中定数系混在回路に対する系統的な数億解析方法について述べる.集中定数回路部分は線形/非線形の素子からなり,分布定数回路部分は周波数依存性のある損失項までを考慮した伝送線路により構成されている.線路の形状としては均一のみならず配置上の制約による不均一性までも扱えるようにする.また電源としては独立電源のみならず,外部からの入射電磁界により誘起される分布電源までを考慮する.伝送線路部分についてはラプラス変換により複素周波数領域(s領域)での定式化を行う.集中定数回路部分が線形時間不変素子のみから構成されている場合には線路の電圧，電流ベクトルを変数として電信方程式より導かれる状態方程式による定式化を行い,回路全体の解析はs領域で得られた結束に数値逆ラプラス変換法を援用する.集中定数回路部分が非線形素子を含む場合には,伝送線路部分についてはs領域での線路両端での入射電圧,反射電圧ベクトルを変数として散乱行列に基づいて得られた結果を時間領域に変換し,回路全体の解析は時間領域での離散化によって行う.