フラクショナル微積分を利用したフラクタル次元の推定

摘要

時系列信号の自己アフィン性に基づくフラクタル次元を推定するため，フラクショナル微積分を利用したフラクタル次元の推定手法が提案される．フラクショナルブラウン関数の時系列は，ある適当な階数のフラクショナル微積分を施すことにより無相関のランダムノイズへと変換される．変換されたデータとリファレンスデータの相関特性を最ゆう推定法により比較することにより，フラクタル次元がゆう度関数の最小に基づいて推定される．提案手法の推定精度は，リファレンスデータの次元を変化させる最ゆう推定法に対して約1.5倍に向上し，リファレンスデータごとの推定結果の標準偏差は約0.8倍に低減される．