外傷性肛門管腹腔瘻

摘要

症例：61歳，男性．2005年6月2　 日未明，鋭利な刃物による肛門利剣により救急車で搬送され入院した．肛門7時方向に約2．5横指の刺創（Fig．1）が認められ，また，腹部CTにおいて腹腔内遊離ガス像が認められたので緊急開腹術を行った．創は肛門管右側壁から左側壁を貫通し，先端は腹膜翻転部左側に達し，同部の直腸壁を損傷していた．損傷部を閉鎖，出血部を止血じ，S状結腸人工月工門を造設した．術後腹膜炎状態からは漸次回復したが，約50日間38℃前後の発熱が続き，また，ダグラス裔のドレーンから膿性分泌物の排出が持続した．