無水式小便器の導入による生活用水量の削減効果と適用可能性

摘要

わが国の水利用状況は，農業用水が全体の66，工業用水が14，生活用水が19となっているが，人口の集中する都市部ほど水の需要は増大し，便所の水洗化や各種水関連住 宅機器設備類の普及に伴って，生活用水の使用量は増加してきた。 一方で，節水型設備類 の普及や節水対策の効果が発揮され，生活用水の使用量は漸減傾向にある。 しかしながら， このような状況下でも，一部の地域では渇水が発生し，さらなる節水対策が講じられてき ていることから，水洗便所で使用される生活用水も削減の対象となり，節水型水洗便器が 導入されるとともに，便器洗浄水を大幅に削減する男性用無水式小便器も開発されてきた。 そこで，無水式小便器を不特定多数が利用する駅構内の公衆便所に適用し，水道使用量 の削減量を実態調査結果から検討したところ，施設内の水道使用量は著しく減少し，その 効果は水道および下水道使用料にも反映され，経済面からみた有効性が実証された。