Alzheimer病の疾患修飾薬の開発状況米国での研究の枠組みを学んで

摘要

現在臨床開発が進んでいる主な疾患修飾薬は抗AyS抗体とBAGE1阻害薬である. バイオマーカ一を用いて被験者を選択することによって，治験の対象はADからMGI, さらにはプレクリニカルADへと早期化している. 総力をあげた治験により，まずはアミロイド仮説の証明を目指す.それにより，将来 はテーラーメイド医療が可能になるか期待されている. Alzheimer病(Alzheimer s disease ： AD)の治 療薬として，1996年にaricept (donepezil)が認 可されてから2014年に5剤目となるnamzaric (donepezil.memantineの合剤)かg忍可された が，世に出ているのは症状を改善する薬のみで あり，病態そのものを止める，または遅らせる ような疾患修飾薬は世に出ていない.ADの治 療につながる発見が取り上げられる一方で， ADの治療薬治験が失敗したというニュースを 耳にし,また？と感じている人も多いだろう.本 稿では，なぜまだ世に出ていないのか，課題を 乗り越えるためにどのようなアプローチがとら れているか，果たして疾患修飾薬が必要とされ る皆に行き渡る日は近いのカゝ，解説する.