核子内クォーク軌道角運動量のフレーバー分解

摘要

1988年に提出されたEMC実験とその後の追実験により、核子スピンのうち、核子内のクォークの固有スピンが担う割合が、20％から30％しかないという核子スピンの謎と呼ばれる問題が提出された。 これは、核子の構造に、意外な複雑さ、これまでの理解を超える何かがあることを示唆するもので、これまで活発に研究が行われてきた。 量子色力学によれば、核子のスピンは、クォーク場かグルオン場のいずれか、もしくは、その両方の場が担っていると考えることができる。しかし、問題は、その内訳がどのようになっているかということである。 そこで、我々は、本研究において、フレーバーSU（3）カイラル#12539;クォーク#12539;ソリトン模型に基づいて、核子のスピン#12539;コンテンツを解析した。