有限n人非協力ゲームの遺伝的アルゴリズムを用いた均衡解の計算方法

摘要

2人非ゼロ和ゲームをn人ゲームに拡張した有限n人非協力ゲームを取り扱い，均衡解の計算方法を開発する．すべてのプレイヤーの利得最大化問題のKuhn－Tucker条件を同時に満足する解が有限n人非協力ゲームの均衡解となる．したがって，Kuhn-Tucker条件式に人為変数を導入した制約条件のもとで，人為変数の和を最小化する目的関数をもつ数理計画問題の最適解が均衡解となる．本論文では遺伝的アルゴリズムを採用し，各プレイヤーの混合戦略を個体として，この数理計画問題の目的関数値が0になるように進化させることによって均衡解を探索する．また，均衡解は必ずしも唯一ではないが，多点探索である遺伝的アルゴリズムを用いることによって複数の均衡解を同時に探索することが可能となる．