Ultra Wideband（UWB）無線技術の研究開発に関する産官学連携と無線PANの標準化への貢献

摘要

Ultra Wideband（UWB）無線は，100Mbit/s以上の超高速で高精度測距を可能とし，搬送波を用いないパルス伝送を中心とする無線技術として，アンテナ・伝搬，回路・デバイス，信号処理，情報理論などからの学術的関心とともに，エビキタスでブロードバンドな無線サービスに対する社会的要請にこたえる産業上の新ビジネス創生の切り札として注目されている．本文では，UWB無線システムの研究開発と標準化を巡る国際的な急激な展開を概観し，我が国における同分野の研究開発，産業化を促進するための活動の中心として，（独）通信総合研究所（CRL）及びCRLが横須賀リサーチパーク（YRP）を中心に組織化したUWB産学官コンソシアムの活動を解介する．更に，UWB技術に基づく無線PAN（Personal Area Network）の標準化（IEEE802.15.3a）における各種方式をハーモナイズし，国や地域により異なる電波利用状況や電波法における制限に適応できる概念であるSoft Spectrum Adaptation（SSA）について解説する．これはCRLとUWBコンソシアムによる産学官連携の成果であり，標準化や電波法の技術基準策定などにおける国際協調に貢献するものである．