次世代GNSS受信機用信号処理機構とそのVLSI化設計

摘要

複数の衛星航法システムを用いて，従来のGPS（Global Positioning System）よりも高い測位精度や信頼性を実現するためのGNSS（Global Navigation Satellite System）の研究開発が行われている．本論文では，GPSに新たに付加される民生用信号を受信可能とする次世代GNSS受信機用信号処理機構を捷案する．各システムの擬似雑音（PRN：Pseudo Random Noise）符号生成器について考察し，これらの符号を共通のハードウェアで発生できる汎用PRN符号生成器の詳細設計について記述する．更に，長周期のPRN符号に対して有効となる位相制御手法についても考察する．提案機構をVLSI化した結果，約97Kゲートで設計可能となり，従来のGPS信号処理機構と比較して，32％増の回路規模で次世代GNSS受信機の信号処理機構が実現できた．