LNG液熱量計測システム

摘要

従来，液化天然ガス（LNG）の熱量を計測する方法としてそのLNG気化ガスに対し燃焼させたときに得られる熱量を測定する方法，ガス成分分析を行うことによりガス発熱量を算出する方法，ガス密度を計測しガス密度と熱量の相関からガス発熱量を算出する方法，ガスの熱伝導度を計測し熱伝導度と熱量の相関からガス発熱量を算出する方法などがあり，いずれも気化ガスをサンプリングすることによるガス発熱量の計測を行っている。 これら気化ガスによる発熱量計測を行う場合，LNGの気化装置，サンプリング装置が熱量計とは別途必要になり大掛かりな設備構成となる。 また，液化ガスが気化することにより約600倍の体積膨張が発生するため気化ガスが熱量計に到達するまでのサンプル遅れが非常に大きく，熱量計測億を制御用として使用する場合，このサンプル遅れが原因となり精度の良い制御ができなくなってしまう。 そこで，シンプルな設備構成でかつサンプル遅れのない天然ガス熱量計測を行うことを目的として，LNGを液体のまま直接熱量計測できるLNG液熱量計測システムの開発を行った。 本稿では，このLNG液熱量計測システムに関して紹介する。