社会組織にもたらした変革とは

摘要

当時，テレビで被災地を見た多くの人が，遅々として進まない救援や救助にいらだちを覚えたに違いない。 現代都市社会で大規模な災害が発生したときに，何が起こるのか，社会システムとして何が欠落しているのか，目の当たりにしたのである。 ある社会学者は，地震後，これからの社会は「セルフ#12539;アドボガシー」が大切であると言っていた。 「セルフ#12539;アドボガシー」とは，「自分で主張し，行動する」という意味である。都市や現代人の欠落しているものとして，この概念を唱えられたのであろう。 この概念は，今は，「自助，共助，公助」という言葉に言い尽くされている。 個々の住民が，まず自分で動かなければいけないこと，仲間で助け合わないといけないこと，そして公的機関が機能的に動かないといけないこと，しかも，公助が最初でなく，自助が最初であることは意味深い。