電界により波長可変な液晶欠陥層を有する1次元周期構造レーザ

摘要

液晶欠陥層を有する1次元フォトニック結晶は，電圧印加によって局在準位の制御が可能である．フォトニック結晶の光の閉じ込め効果と液晶欠陥層の導入による局在準位波長のシフトを利用して，液晶欠陥層を有する1次元フォトニック結晶の光励起によるレーザ発振及び発振波長の電界制御を試みた．まず，1次元フォトニック結晶としてTiO_2とSiO_2を周期的に積層した誘電体多層膜を用い，その周期性を乱す欠陥層として，外部電場に対する応答性の良いネマチック液晶とレーザ色素を導入し，1次元フォトニックバンド内に局在準位に基づくピークの波長が電圧印加により制御可能であることを確認した．その実験結果と数値解析結果は良い一致を示した．更に，その液晶層に添加した色素をパルスレーザ励起することで，局在準位からのレーザ発振が観測された．また，その発振波長の電界変調にも成功した．