サービスの開始と終了を考慮したWebトラヒックの非定常Poisson過程によるモデル化について

摘要

一定期間のみサービスを行うWebサーバ上のトラヒックは，サービスの開始直後と終了直前に急激に増大する傾向がある．従来のWebトラヒック解析について提案されている手法のひとつに，トラヒックに非定常Poisson過程を仮定し，強度関数をFourier級数展開したうえで，そのFourier係数をパラメータ推定する手法がある．しかし，前述のような特殊なトラヒックにこの手法を適用すると，推定する係数の数が多くなってしまう．このような場合，強度関数の仮定に，サービス開始直後と終了直前のトラヒックの性質を予め盛り込む，というアプローチが考えられる．そこで本研究では，強度関数に予め仮定として盛り込む関数形として指数関数を取り上げ，パラメータ推定の性能との関係を，シミュレーション実験を通して考察する．