抗癌薬·インターフェロン併用療法

摘要

肝細胞癌は臨床病理学的特徴より，他の固形癌とは異なった治療法の適応基準を有する．抗癌薬による化学療法も特異であり，肝細胞癌に対する化学療法の適応，あるいは実際の臨床にて化学療法が施行される機会としては，1）手術，肝動脈塞栓術（TAE），経皮的エタノール注入療法（PEIT）など局所療法の適応とならない，あるいは効果が期待できない高度の門脈腫癌塞栓例または大きな占拠領域を有する進行例に対する初期療法，2）手術， TAE，PEITなど局所療法後の補助療法，3） TAEにおけるゼラチンスポンジ，リピオド－ルなど塞栓物質との併用療法，4）繰り返す局所療法に抵抗性が出現した進行例に対する治療，など多岐にわたり，実際臨床的には積極的にしろ消極的にしろ，施行される頻度は高い．肝癌研究会の全国集計においても初期治療として全体の約3割という高頻度に選択されている．