PTSD

摘要

PTSD（posttraumatic stress disorder，外傷後ストレス障害）とは，極度の外傷的ストレスに曝露したのち，特徴的な症状群が出現した状態をいう．PTSDの多くは，外傷的ストレスに曝露後3ヵ月以内に発症し，子どもから大人までどの年齢層にも出現しうる．原因となった外傷的な出来事が持続的に再体験され，外傷と関連した刺激を回避するようになり，精神活動全般にわたる反応性が低下し，覚醒亢進状態も認められる．DSM－Ⅳでは，これらの症状が1ヵ月以上持続し，臨床上著しい苦痛や，社会的，職業的またはほかの重要な領域における機能の障害を生じていることなどを考慮し診断される．