ウェーブレット変換と固有空間BPLP法を用いた欠損画像復元法とその評価

摘要

画像における欠損部分を補間によって復元する非常に有効な手法として，天野敏之らにより固有空間BPLP法が提案されている．この手法は，切り出した欠損を含まないブロックデータから固有空間に基づき学習ベクトルを作成し，線形結合によって欠損部分を推定することで，画像全体の特徴を反映させた復元を行うという手法である．本論文では，固有空間BPLP法とメディアンフィルタを周波数帯域で有機的に組み合わせた画像復元法を提案する．固有空間BPLP法で得られた結果をウェーブレット変換し，高周波領域に対して分解方向を考慮したメディアンフィルタを掛けることにより，近似的に高周波成分を付与すると，復元精度が向上することを示す．