MR画像を用いた子宮蠕動運動の解析

摘要

本研究では，MR画像を用いた子宮蠕動観察のための解析手法を提案する．子宮蠕動運動では，子宮筋層の収縮が，リズムと方向性を持って波様に伝播する．近年のMR撮像技術の発展によりMRIによっても子宮蠕動の評価がなされているが，その変化は微細であることから，従来の評価は主観によるところが大きい．本報告では，子宮筋層の低輝度部の厚みを反映する時空間マップの情報を用いて，画像から蠕動領域を抽出し，その蠕動領域および領域内の輝度値より，蠕動の範囲と強度を算出した結果について述べる．抗コリン作用を持つ薬剤（ブスコパン）静注前後の画像を用い，解析結果を放射線医師の目視による評価と比較した．