ドパミンアゴニストは神経保護作用をもつか－2つの大規模studyから得るもの

摘要

パーキンソン病治療は，線条体ドパミンの減少の発見に引き続き，ドパミン前駆物質であるL－dopa大量投与によって症状が劇的に改善したときには，これで治療は完結したかに多くの医師は考えた．しかし，すぐにL－dopa大量投与上の問題点が明らかになり，患者と医師は運動症状の変動に代表される日常生活上困難な症状と戦わなければならなくなった．一方，1974年Calneはドパミンアゴニストであるbromocriptineがパーキンソン病治療に有用であることを報告した．パーキンソン病の病因解明はMPTPによって生じたパーキンソニズムにより，原因解明が進むことになった．ここで，ラジカル仮説が重要視されるようになった．ドパミンアゴニストは，ドパミン代謝過程で生じるラジカル反応を実験系では抑制#12539;消失させる作用がある．このことより神経保護作用として作用することが期待されるが，いまだパーキンソン病患者では実証されていない．