高齢者見守りネットワークにおける高齢者密度に適応したグループ編成法とアプリケーションの基本実装

摘要

近年，少子高齢化の進行に伴い高齢者の介護が問題となっている.また，核家族化による一人暮らしの高齢者の増加に伴い，家族や親戚と同居する形で見守られている高齢者は減少している.筆者らは，地域コミュニティにおいて高齢者を見守るためのグループを編成し，SNS等を利用してメッセージの送受信を行うことで高齢者の見守りを地域全体で行う地域高齢者見守りネットワークを提唱している.これまでのシステムでは，高齢者の住居分布の偏りが考慮されていなかったが，実際には，各地域において高齢者の人口が異なることが考えられる.そこで本稿では，高齢者密度に適応したグループ編成法を提案する.提案するグループ編成法では，高齢者密度に応じて各グループ内の見守り対象高齢者数を変化させ，グループ内で1名以上の高齢者を適切な負担で見守ることを可能とする.これにより，高齢者が多い地域においても，各見守り者の負担を均等に軽減することが期待される.