外科手術

摘要

肝細胞癌（以下肝癌）に対する外科手術は確実に進歩した．日本肝癌研究会による最新の全国調査では，手術死亡率は2．0％，術後5年生存率は50.8％と報告されており，安全性は他の消化器癌手術に匹敵し，長期成績も年々向上している．治療インパクトを評価するには無作為化試験による方法が望ましいが，その情報が存在しない現時点でのもっとも有力な代替評価項目は，術後の5年生存率と長期生存者数であろう．本稿では，肝癌外科治療の最前線に関して，現時点までに蓄積された成績から再考したい．