肺性心の診断#12539;治療#12539;予後

摘要

GOLDの中で，肺性心に関しては以下の項目において取り上げられている．第4章：病理（肺血管構造），病態生理（ガス交換の異常，肺高血圧症と肺性心） 第5章：COPDの管理（肺の血行動態の変化，右心不全もしくは肺性心の診断，血管拡張薬，酸素療法） 本稿では，それらの記載に基づき，肺性心の病態·診断·治療に関して概説する． 肺性心は，肺の構造と機能に影響を与える疾患の結果生じた右室の肥大である．肺高血圧症の治療という観点から考えると，肺性心の治療は二次的なものになる．一次的な疾患である肺高血圧症の治療が開発されて，肺高血圧症の程度が改善されれば，結果として二次的な肺性心の治療にもなる． 肺高血圧症において，肥大した右室心筋を一次的に治療するという考えは現在までのところなく，肺血管に対する治療を通して右室の機能を保つための治療をするのが原則と考えられる．