二次性心筋症

摘要

心筋症は，高血圧，冠動脈疾患，心膜疾患，弁 膜症，先天奇形など明らかな原因を有さず，心筋 に病変の首座がある一連の疾患を包含する概念と 考えられている.しかし，その定義と用語は時代 とともに大きく変遷してきており，そのため臨床の現場に混乱をもたらしている側面がある.1995 年の世界保健機関（WHO)/国際心臓連合(ISFC) による分類，2005年にわが国で作成された「心 筋症，診断の手引きとその解説」，2006年の米国 心臓協会(AHA)の分鼠2008年の欧州心臓病学 会(ESC)の分類を見比べてみても，心筋症の概念 ならびに分類は異なっている.しかしながら，心 筋症は，病変の首座が心臓にある心臓原発性(特 発性）と，全身疾患の心病変である二次性心筋症 に大別できる.一般的に，原発性(特発性)心筋症 には，拡張型心筋症，肥大型心筋症，拘束型心筋 症，不整脈源性右室心筋症が含まれる.二次性心 筋症は，特定心筋症(特定心筋疾患）とほぼ同義と して用いられ，全身疾患の部分症として用いられることが多い.