公団物件中心に積極検討される専用線の併設

摘要

マンションの広告チラシに躍る「ブロードバンド対応」の文字に、もはや目新しさが感じられなくなって久しい。バブル経済崩壊以後、新築マンションの着工戸数自体は20万戸前後で横這いを辿っているものの、少なくとも都市圏においては、ほぼ100％の新築集合住宅でインターネットの常時接続が標準装備となった。また、カテゴリー6規格のJ#65380;#65380;IS化を追い風に依然メタルが優勢なオフィス向けLAN とは異なり、住宅向けでは各戸までの光配線が急速に浸透しつつある。 この背景としては、①一般の消費者に対してメタルLAN のカテゴリー別特性を説いても理解が得られにくく、未来的なイメージの「光」の文学が入っていた方がよほどインパクトがある、②将来的にインフラが陳腐化してしまった場合、引き直しにあたって住民の合意を得ることが難しいため、最先端の技術#12539;製品を先行導入して長く使用できる環境を整える必要がある、といったものが考えられる。 FTTB （Fiber To The Building）自体がまだ立ち上がったばかりの市場ではあるが、ここにきて各戸に光ファイバ2心ずつ配線が施された、さらに一歩も二歩も先を行く物件が目立つようになってきている。 特にこの傾向は、都市再生機構発注の案件に顕著だ。 今回は、若い市場であるがゆえの急激な成長と、それを支える参入各社の様々な工夫を、導入事例を交えつつ紹介したい。